CIAは何をしていた? (新潮文庫)



CIAは何をしていた? (新潮文庫)
CIAは何をしていた? (新潮文庫)

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CIAこの”ていたらく”

 CIAの現場から見た本部の官僚化。良くも悪くもCIAの冷酷な行動や闇の部分が消えていくということ。イラク政策の曖昧さ、911が起こるぞという警告の軽視または無視。超法規的行動部隊がこの”ていたらく”ということなのだろうが、ダレスの時代が懐かしい気もする。
見ざる言わざる聞かざる

映画「シリアナ」の元ネタとなった、元CIAロバート・ベアの著書。

本の方を先に読みましたが、映画を先に見た方が、この本が伝えようとしているCIAそして米国政府の姿についてのイメージがつかみ易いように思います(映画はあくまでフィクションですが)。
そうでなくとも本作は、特に中盤から人名や地名やらがわんさかと出て読み進むのがなかなかしんどくなってきますので、
ベイルート大使館爆破事件や湾岸戦争等、概略だけでも知ってからの方が本作の読み応えが増すことと思います。

とは言え、そんな背景知識はほとんどない私でもかなり分量のある本作をあっという間に読みきってしまったので心配は無用かも知れません。

現場主義を貫こうとする著者は官僚主義に傾倒していくCIAの中で浮いた存在になっていきますが、もし著者が望むような動きをCIAそして米国政府がしていたら・・・歴史は違うページを刻んでいた可能性くらいはあったのかもしれません。歴史に「もし」は無い、というのもまた事実だとは思いますが。

See No Evilという原題は、見ざる言わざる聞かざる、の「見ざる」の部分にあたるそうです。官僚主義に傾倒したCIAに対する筆者の批判と皮肉が滲み出たようなタイトルだと思います。
その工作員は情熱溢れる営業マンだった

映画「シリアナ」原作ということで、映画鑑賞直後に買って読まずにいたのを、GWでやっと読みました。正直、映画はよくわからなかったので原作にも期待していなかった。
ところが!すごい面白いですよこれ。
たしかに見慣れぬ人名がわんさか出てくるので読みにくい本ですが、そんなの問題じゃない。工作員ボブ・ベアの苦闘の数々はじつにドラマチックで、読む者の胸に迫ります。

本書は主に三つのパートに分けられます。(1)ボブがCIAに就職し、南アジアを専門とする工作員に成長するまで。(2)1995年の北部イラクで、クルド勢力のクーデターに関与したくだり。(3)本土に呼び戻され、クリントン政権への石油業者不正献金疑惑を追うくだり。
「シリアナ」のプロットとなったのは(3)でしょう。私は映画を再見したくなりました。

そして、本書には「肥大し官僚化した組織が、個人の情熱をスポイルし、正義を見失っていく様」が通奏低音のごとく流れています。これは、どんな仕事をしている人間にも思い当たるところのある、じつに普遍的なテーマです。私は工作員ボブに大いに共感しました。
他の方も言及しておられますが、最近の会社もCIAと同じ悩みに直面してますよね?
ボブの苦しみは私たちの苦しみと同じです。ボブが苦闘から得た教訓は、私たちにも有効です。
リアルスパイストーリー

 少々古いが「スパイキャッチャー」のCIA版という感じがしないでもない。ただしCIAの敵は二重スパイではなく、組織の官僚主義と怠慢である。
 常に現代諜報戦の最前線で活躍してきた作者だけに、その辺の平凡なスパイ小説など足元にも及ばない面白さである。
 ベイルート米大使館爆破事件では、内戦下のベイルートで捜査にあたり、崩壊後のロシアでは、将軍たちと射撃に興じ、湾岸戦争後のイラクでは、クーデター計画の支援にあたった。どのエピソードも、時にユーモアを交えつつ、実話ならではの臨場感と衝撃に満ち溢れている。
 しかし組織の腐敗とハイテク化が進み、ヒューミントが軽んじられ、現地で情報を得ても「衛星写真に映ってない」と一蹴されてしまう(笑)。CIAが9・11テロを察知できなかったのも納得である。
 と同時に、イラクにおける大量破壊兵器情報にCIAがどのように関わっていたのか、あるいは全く関与していないのか、組織の改革は進んでいるのか、いろいろと興味深い。
 最後のカスピ海石油利権を巡るエピソードが圧巻だ。映画「シリアナ」の原案となった部分であろう。映画も合わせてお勧めである。


世界の真実

元CIA工作員が書いた手記です。
ドラマ「24」のジャック・バウアーを見た人は
是非おすすめです。
派手な銃撃戦は殆どないですが
情報収集活動や危険な任務は類似しています。
CTU(テロカウンターユニット)は
架空の政府組織ですが
CIAには
CTC(テロカウンターセンター)が
実際に存在していると書いてあります。
話半分としても、事件の裏側で
何が起きているのかが分かる気がします。
人物が多く、分かりにくい箇所がありますが
内容は、著者の経験と
現実に起きた事件を扱っており、
ある種のスリルがあり、刺激的だと思います。



新潮社
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